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この梅雨の時期になると、雨が競馬の結果に大きく影響するのはご存知かと思います。
この記事では、AIの導き出すデータから
「重馬場・不良馬場においてどのような血統を持つ馬が馬券になりやすいか」を考えていきます。

まず最初に

私のAIは重馬場・不良馬場は不得意です

これについては明確な理由があります。
AIはサンプルデータ=レースの実結果を元に次の予想を分析します。
中央競馬において、良馬場に比べ重馬場・不良馬場で開催されるレースは
良馬場に比べて圧倒的に少なく
データのサンプル数が少ないという特徴があります。
サンプル数が少ないということは、データには一定の揺れが発生します。
(強く出過ぎたり、弱く出過ぎたりするということです。)

一方で地方競馬は、割と「重馬場」でのレース開催は、中央競馬に比べ多く、
一定のサンプル数を確保できます。(平日開催でレース数が多いというのも大きいです)
その点が逆に地方競馬の面白いところ😉でもあり、難しいところ😂でもありますね。

私のAIは、良馬場を前提とした予想印を打ちます。
ですので、雨が降り重馬場・不良馬場となりやすいこの時期、
「中央競馬予想」は特に苦戦する傾向にあります。

重馬場・不良馬場の特徴とは

一般的に言われているのは下記です。

  • 芝は先行馬有利、差し馬不利
  • 芝は全体的にタイムが遅くなる(時計がかかる)
  • ダートは先行馬が更に有利、差し馬は不利
  • ダートは全体的にタイムが早くなる(時計が速い)
  • 芝はスタミナタイプの馬が走る率が上がる
  • ダートは芝血統の馬が走る率が上がる

ペース次第なところもある

先行馬有利、差し馬不利というのは正直なところ
レースのペースにも依存するところがあると思います。
例えば、ダートの長い距離を先行馬が最初からぶっ飛ばしていったら、
普通に考えたらヘロヘロになって差し馬が漁夫の利で勝ってしまったりします。

スタミナタイプの馬が走る率が上がる、は本当か

好走率は上がると思います。
※ただし、スタミナタイプではない馬が絶対来ないというわけではないです。

なお、私のAIは今年に入り血統分析評価を大幅に改良しました。
血統分析と言えば大半の人がご存知かと思いますが、
亀谷敬正氏の血統分析法(主要11血統+日米欧に分類する手法)をベースに
AIのオリジナル評価をミックスさせて最終評価を決定する手法を取っています。

さて、比較するレースの条件が少し異なりますが、
今年のNHKマイルカップ と 昨日のエプソムカップ の血統傾向を比較します。

2020 NHKマイルカップ

NHKマイルカップは東京の芝1600mで行われるレース。
このレースは良馬場で行われました。

1着馬の🐴ラウダシオンは、ディープインパクト系産駒のリアルインパクト。
リアルインパクト自体が3歳時に安田記念を勝っているスピード血統です。
※ディープインパクト系の種牡馬はキズナなどが他にいますが、将来的にもっと増えると思います。
 その際はスピードタイプのディープインパクト系などと分類する必要がありますね😉

2着馬🐴レシステンシアは、スピード型サンデー系のダイワメジャー産駒。
ダイワメジャーの母父はノーザンテーストで日本型のノーザンダンサー系。
日本の馬場にチューニングされた血統と言えばいいでしょうか。

そして3着馬の🐴ギルデッドミラーは、オルフェーブル産駒でスタミナタイプのサンデー系ですが
母父Tiznowがマンノウォー系で父父父にIn Realityを持つ配合で、
日本ではスプリンターズSを勝ったカルストンライトオや、高松宮記念を勝ったサニングデールなどを送り出したバリバリのスピード血統です。
余談ですが先日ダービーを勝った🐴コントレイルもIn Reality持ちですね。

といったように、スピード血統を持った馬を評価していれば
馬券は比較的当てやすい1戦であったと言えます。

2020 エプソムカップ

エプソムカップは東京の芝1800mで行われるレース。
このレースは不良馬場で行われました。

1着馬の🐴ダイワキャグニーは、東京巧者という点でも注目を集めましたが
この馬場に適正があるのか、という1つの疑問点があったのも事実です。
しかし父が欧州血統のキングカメハメハ(キングマンボ系)。
キングカメハメハの母父も、欧州血統のラストタイクーンですので渋った馬場は苦手ではないタイプだと思います。

2着馬🐴ソーグリッタリングは、父がステイゴールドでスタミナタイプのサンデー系。
更に母父がシンボリクリスエスでロベルト持ちの血統なので時計のかかる馬場は◎

3着馬は大穴を開けた🐴トーラスジェミニ。
父はキングズベストなのでキングマンボ系で、母父マンハッタンカフェはスタミナタイプのサンデー系
マンハッタンカフェの母父はストックウェル系のLombardなので、英愛のリーディングサイアーにもなった系統。これらから渋った馬場特性◎と評価できます。

4着馬、5着馬も2着馬などと同じ系統色が強く上位はこぞって欧州血統やスタミナタイプでした。

このレースは固まってそういう馬たちが馬券になりましたが
その前のレースである、4R芝2000、5R芝1800、10R芝1600でも同じような傾向でした。

4R芝2000


ハービンジャー産駒、キングマンボ系、ロベルト系を持つ馬が固まって好走。

5R芝1800


キングマンボ系、スタミナタイプのサンデー系、ロベルト系を持つ馬が固まって好走。

10R芝1600


スタミナタイプのサンデー系、ロベルト系を持つ馬が固まって好走。

スタミナタイプの馬を狙って買う

このように不良馬場に近い重馬場や不良馬場は
コースによっても異なりますが基本的には以下の馬を抑えて行くのが良さそうです。

  • 父か母父がスタミナタイプのサンデー系を持つこと
    • 例:マンハッタンカフェ、ドリームジャーニー、ハーツクライ、ステイゴールド
  • 父が欧州系タイプであること
    • 例:ハービンジャー(欧州ダンチヒ)、キングカメハメハ(キングマンボ系)
  • 父、母父、母母父、父母父にロベルト系を持つこと
    • 例:シンボリクリスエス、ブライアンズタイム
  • 父、母父、母母父、父母父にストックウェルやスターリング系を持つこと
    • 例:Lombard

結論

・芝の極端な馬場は血統傾向が出やすい=欧州系・スタミナタイプのサンデー系は狙い目
・芝の良馬場ではこの逆になるパターンが多い(いわゆるスピードタイプの主流血統が走る)


One thought on “フリーコラム #5 重馬場・不良馬場を読み解く”

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